ピアノ教室の「経営の役割」と「レッスンの役割」

ピアノ教室を運営している先生は「オーナー経営者」であるというお話を別のレッスンでしました。
今回も、「経営」ってムズカしそうで避けてきたという先生のために、できるだけ平易にかみ砕いて「経営」の大切さをヒモ解いていきます。

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今回のテーマ「経営の役割」と「レッスンの役割」を理解して、教室の成長への一歩を踏み出しましょう!

「経営」と「レッスン」は役割が違う

ピアノ教室の経営とはピアノ教室が継続的に理想の運営をするための活動ということを別のレッスンでお伝えしました。

具体的には、「教室の理念・コンセプトを決める」「教室の指導方針・規約を決める」「生徒さんのターゲット層を決める」「レッスン内容・料金を決める」「生徒募集をする」「月謝と費用の収支計算」など、教室がビジネスとして成立させるための「レッスン現場」以外の業務全般になります。

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ピアノ教室の「経営」は
教室全体が、理想の運営ができるようにする」という役割です。

それでは、ビジネス的な視点で見た時に、ピアノ教室の「レッスン」の役割は何でしょうか?

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ピアノ教室の「レッスン」は
顧客である生徒さんに「レッスン」という「サービスを提供する」という役割です。

レッスンの質を上げるために、生徒さんに合った課題曲を探したり、その指導方法を考えたりといったレッスンの準備作業をされることも多いと思います。生徒さんの演奏技術をより高めたり、レッスンをより楽しんでもらうために準備もしっかり行い、顧客満足度を上げていくことは経営上もとても大切なことです。そのため、この準備作業も含めてレッスンには多くの時間が費やされます。

しかし、レッスンとその準備で時間がとられて「経営」まで手が回らないとなると、教室の将来は暗闇で前が見えない中を進むようなことになります。そうならないためにも「経営」のための時間を確保するようにしてください。

特にまだ生徒さんが少なくて時間的に余裕があるという教室は、今のうちに「経営」をするための時間をしっかりとることにより、生徒さんが集まってくる教室をつくる準備をしてください。

「経営」を「音楽」に、たとえてみると

「経営活動」を「作曲活動」にたとえてみる

「経営」は「レッスン」とは別の活動であるということが少しはお分かりいただけたでしょうか。もう少し身近な例として「ピアノ教室の経営」を「作曲した曲を演奏会で披露する」ことに、たとえてみましょう。

一例として、作曲活動を経営活動に置き換えてみると、この表のようになります。

手順作曲活動経営活動
曲のコンセプトを決める教室の理念・コンセプトを決める
曲の構成を決める教室の指導方針・運営規約を決める
メロディーをつくるレッスンの内容を決める
編曲をするレッスンの時間割をつくる
楽譜におこす経営計画書や教室規約・レッスン要項などの書類を作成する

このように見てみると、ピアノ教室の経営ってクリエイティブなものに感じませんか。

「経営計画書」は「楽譜」に似ている?

今回の本題ではないのですが「経営計画書」というのは、経営者が作成した事業の方針や方法などをまとめたものだと思ってください。事業の目標・目的を達成できるように、そこに書かれた方針を元に業務を進めていきます。ここには経営者の意志が詰まっています。

ピアノ教室の経営では、経営者が決めた教室の理念や指導方針などをベースに「レッスン」が行われます。個人経営のピアノ教室では、先生自らが決めたことをレッスンに取り入れることになります。

一方、音楽では「楽譜」が「経営計画書」と同じような役割をします。「経営計画書」に経営者が様々な方針を記載したのと同じように、「楽譜」には作曲家が作ったメロディやアレンジに合わせて様々な指示が記載されていて、この楽譜から作曲者の意図をくみとって演奏家が再現することで、作曲家の思いと共に楽曲が観衆の耳に届きます。

つまり「経営計画書」は「楽譜」と同じ役割をしていて、経営者は作曲者でありオーケストラの指揮者です。そして、ピアノ教室を経営する先生はさらにレッスンも自ら行うので演奏者でもある正にマルチプレイヤーなわけですね。

「経営」と「レッスン」は切り分けて

優秀なマルチプレイヤーであっても、「作曲」と「演奏」は同時には中々できません。ジャズのアドリブ演奏などは曲をつくりながら演奏を同時にしていますが、少し特殊な才能が必要になります。

ピアノ教室の「経営」と「レッスン」も同じで、同時にはできないのです。それぞれを別々に対応する必要があるということです。

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繰り返しになりますが、
「レッスン」とは別に「経営」のための時間をとるようにしてください。
「レッスンが忙しいので、つい後回しに」とならないように、「経営」のための時間の優先度を上げ、
ピアノ教室が継続的に理想の運営をするために」、時間をしっかり確保して対応しましょう。

教室にとって大切なことを考えて決めていく「経営活動」は、理想の教室を作るための活動です。聴衆を感動させる素晴らしい曲を作曲するのと同じで、ある程度の時間は要するものです。その場のノリだけでフリー・ジャズのアドリブのように「経営」できるのは恐らく天才経営者だけでしょう。

まとめ

「経営活動」は、教室運営にとって重要度の高い仕事です。「レッスン」とは違うアプローチが必要な仕事ですので、「レッスン」とは別に時間を確保して、しっかり取り組むようにしましょう。

KUBO

「経営」は、教室の構想を考えるというクリエイティブな面もあるので、これまで正面から取り組んで来なかったという先生でも意外に楽しめる部分も多いと思いますよ。

それではまた次のレッスンでお会いしましょう。See you next lesson!!

執筆者プロフィール
コンサルタント

KUBO SUSUMU
(GroovyDigital代表)

レコード会社にて、制作ディレクター、マーケティングプランナーを経験し、音楽ビジネスでの実績を積む。

その後、IT企業にて、音楽配信サービスを立ち上げ、有料会員100万人以上を集めるサービスに育てる。音楽部門の事業責任者として多くの音楽・動画配信サービスをマネジメント。

長年の事業経営、オンライン&オフラインのマーケティングの経験をベースに、WEB制作&コンサルティング事業を手掛けるGroovyDigitalを立ち上げ代表に就任。

実家がピアノ教室を営み、妻がピアノ&声楽講師、そして親戚家族も音楽教室を経営するという生活環境で、音楽教室が身近な存在であったため、これまでの経験を活かして音楽教室の役に立ちたいという思いのもと、音楽教室/ピアノ教室専門の集客コンサルティングを行っている。

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